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2001年版
台湾工業年鑑

2000 台湾工業年鑑

 

機械産業

伝統工業に属している機械業は現在、銀行の債権回収強化に臨んでいるのに対して、中国が積極的にメーカーへの対中国投資、工場設置を誘致している景況を見ると、台湾機械工業会は台湾が50年の努力を経て確立した機械工業が35年の短い間に、中国の各種の優遇措置により収納されてしまうことを懸念している。

 機械工業会によると、台湾機械工業は50年の努力を経て世界市場では一席の地位を占めている。99年を例にすると、台湾製工作機械が世界第5位に座り、日本、ドイツ、イタリア、スイスに次いでいる。

 機械製品全体の輸出面では、スイス機械工業会統計によると、台湾も世界で第9位に立ち、99年の輸出額は世界の4.1%を占め、アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、イタリア、フランスなどに次いでいる。さらに台湾製工作機械及び機械設備は現在、製造及び量産技術及び協力体系においてすべて世界一になっている。同時に、品質及び価格でも外国客先に世界的な競争実力を持っていると認められている。

 台湾機械工業会によると、工作機械及び機械設備産業は先進国では、すべて製造業での最も重要な基盤であり核心産業と視されている。アメリカを例にすると、さらに国家安全を理由にしてその工作機械産業の維持に全力をあげている。

 

 

 最近、中国は投資低減、低金利融資、税金返還などの優遇措置により、国営企業が国産の工作機械及び機械設備を優先的に採用することにしている。それに伴い、台湾製工作機械及び機械設備の中国向けの輸出に影響を与えることは必至である。さらに台湾機械業界の中国への直接投資、工場設置を吸引し、現地での販売を行うことになる。

 台湾機械工業会によると、台湾政府は機械工業を重視しないと、台湾機械工業はようやく50年積み重ねて確立されたが、今後35年の内に大挙して中国に移り投資及び工場設置を行うことになり、台湾機械産業の空洞化をもたらすことにつながる。

 業界によると、現在、機械の川上鋳造業はすでに大挙して中国での工場を設置しており、工作機械業は前後して台中精機、楊鉄、永進、建徳、力山、遠東及び予定している前鋒工業が中国に移転している。産業機械では、金型業、紡績機械、木工機械、プラスチック機械など多くの業者が中国での工場設置を行っている。機械工業会によると、98年以来、台湾伝統産業の不振が続けられ、内需市場はすでに萎縮しつつある。金融機会の債権回収強化を加わり、機械業者を窮地に陥らせている。