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2018年版
台湾工業年鑑

 

まえがき

  1980年代以来の中台間の垂直分業が崩壊している。台湾の技術が先行しておらず、中国の労賃も引きあがったからである。中国が独自のサプライチェーン構築に力を入れており、中台が相互補完関係から競合関係に変わり、将来的には水平分業に向けての発展が見込まれている。米中の貿易紛糾で台湾製原料や部品の対中国輸出は減少するが、対米の輸出に切り替わる可能性も出てくる。本年鑑は台湾経済が直面している外需や内需の状況を基に、台湾各業界への影響を分析している。
 構成は台湾経済情勢について分析・展望する経済編と台湾工業界のエネルギ−産業、電子機械工業、機械工業、化学工業、紡績工業について記述する産業編とに分けており、さらに、産業編の電子機械工業には情報工業、通信機器工業、家電工業、光電工業、半導体、電線ケーブルなどを含んでいる。機械工業には機械設備及び部品、輸送機器工業、金属製品工業などを含み、化学工業にはプラスチック、ゴム、セメント、製紙、製薬、陶磁器、飼料などを含む。そして紡績工業には紡績、アパレル、その他業にはマスク業、自動販売機、眼鏡などを含んでいる。

 

 

 それらの内容については(1)概要(2)需給(台湾国内、輸出入)(3)問題点に分け、原則として過去5年間の推移をフォロ−した上で現状及び中国大陸との関係を分析し、今後の展望及び問題点も盛り込んだ。また、全体を通じて豊富な図表を入れて分かりやすい方法で述べている。
なお、各産業編の最後に関係諸団体名簿を記載しており、メーカー名簿については弊研究所発行の台湾メーカー名簿のご利用を推奨する。さらに、台湾産業経済の推移及び個々の工業界の動向を知る上で、より便利でかつより的確な現状把握の資料を提供するために、年々、内容の充実に努めている。