2025年版
台湾工業年鑑

　台湾はICT分野において世界で不可欠な役割を担っている。ICT産業からの受注規模は膨大で、利潤が低いが、台湾に代わる競争相手が多くないのもあり、トランプ米政権の高関税政策による影響を受ける中、最終的にアメリカの消費者と顧客への深刻な負担になり、インフレと市場の委縮が引き起こされることが予想される。台湾のICT産業における国際化配置は長年行われてきており、今後市場別と顧客別による需要への対応を続けることにより、アメリカや世界各地での国際化進出持続が進められ、市場の近くで需要を供給することで、関税による衝撃を最小限にとどめることを図る。米台間における貿易赤字が示されているが、台湾ではクラウドサービスやソフトコンテンツ、知的財産権の多くはアメリカから輸入されており、この部分を貿易赤字から引くと米台間の貿易赤字が大きく減ることになる。台湾は資源が限られており、サービス業の高品質化へのシフトが高関税への対応の重要な発展のカギになり、台湾農業も高品質化への転換に向かう必要がある。