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中台貿易

 台湾国際貿易局によると、'97年の1月から7月の間に、台湾から中国大陸への輸出額の成長率はわずかに8.1%であり、ここ4年間の平均成長率である18.7%を大きく下回っている。逆に同期間の中国大陸からの輸入額成長率は24%にも達し、初めて台湾総輸入額の23%を上回った。輸出入相殺の結果、同期間の台湾対中国大陸の貿易は、91億6千万米ドルの黒字となっている。

 上記期間の中国大陸への輸出金額は112億9千万米ドル、増加率8.1%、台湾総輸出金額中16.3%を占めている。増加率と金額比率はともに'96年よりやや上昇している。その原因を追求すると、台湾製部品および半製品への需要の増加があり、また中国大陸の貿易成長を継続するため、中国大陸中の外資系企業における機械設備輸入への関税免除優遇処置が'97年末まで延長されたことがあげられる。

 

台湾の乗用車市場

 台湾車両協会によると、台湾にある12社の自動車メーカーのうち11社が乗用車を生産しており、'96年の自動車メーカー9社(台湾五十鈴社と羽田社を除く。慶衆社は商用車のみ)の販売総台数は263,936台であり、'95年の282,232台より18,296台、6.48%減少した。台湾自動車市場の販売不振やWTO加盟に対応するために、各自動車メーカーは販売促進に全力をあげ、既有市場占有率を確保あるいは拡大を目指し、競争がさらに激しく、経営がさらに厳しくなっている。

 国瑞社は27.81%成長と優れ、裕隆社の11.01%、大慶社及び三陽社がそれぞれ2.47%及び1.89%と成長をみせたが、他社は全て'95年より減少し、三富社が60.08%と最も大きく、国産社52.56%、中華社26.07%、福特六和社20.94%、太子社の14.52%の減少となっている。

 単一車種では、国瑞社のTERCELが39,729台で販売台数でトップになり、長年高い評価を受けている同社のCORONAは29,446台で2位に退いた。三陽社のCIVICは新モデルが発売されたため、'95年の6位から3位に上がり、販売台数は28,459台であった。4位は福特六和社のLESEAで26,743台であった。裕隆社は新車種のCEFIROを販売、26,610台で5位になった。その他の上位10位の車種別ランキングは、福特六和社のFESTIVEが20,712台、中華社のLANCERが20,599台、裕隆社のNEW SENTRAが19,124台、福特六和社のTELSTARが12,385台、三陽社のACCORDが12,010台であった。

 

台湾の自動車部品工業

 自動車の最終組立を中心としているメーカーは、部品生産を行う100社以上の衛星工場と結びついて緊密な供給体制が確立されているため、市場の需要に応じることができる。台湾経済部統計によると、自動車部品工場は1,991社あり、総従業員数は5万人である。従業員数は工場あたり5〜29人が最も多く、5人以下が20%を占めている。30人以上の工場は21%を占めているにすぎず、台湾国内の自動車部品工業が依然として中小企業を中心としていることを明らかに示している。

 現在、台湾の自動車部品メーカーの中で、確実に国内メーカーにOEM部品を供給する能力を持っているのは約300社である。ほとんどの部品工場は親会社の製品仕様を模倣して部品を生産し、消費者の修理交換に使われるアフターサービス部品と言われているものである。

 近年部品の関税が完成車の関税引き下げにつれ、'85年の35%から'91年では25%、'93年にはさらに15%になった。国産車の自製率規定は70%から下降し続け、現在小型車の自製率は50%、3.5〜10トンの大型車は35%、10トン以上の大型車は31%にまで下降し、将来WTOに加盟した後はさらに自製率を全面廃止され、輸入品との競合に臨むこととなる。国内向け自動車部品の生産金額は、'96年の自動車販売台数の減少により、近年初めての減少を表した。

 台湾経済部統計によると、'96年の自動車部品の生産額は1,188億7千4百万台湾ドルで、'95年より5.18%減少し、販売額は1,291億4千7百万台湾ドルで3.35%減少した。生産販売額ともにここ6年間で初めての減少を呈した。また、'96年の販売額中、国内向けは891億2千百万台湾ドルで全体の69.01%を占め、輸出額の30.99%を大きく上回り、台湾製部品は依然として国内向けであることがわかる。

機械工業

 工業技術研究院機械所によると、1997年における機械産業の総生産額は3416億台湾ドルに達し、成長率は約6%であった。その中で製紙印刷機械の成長率が18.5%で最も高く、次は化工機械の17%、ゴム・プラスチック機械は16.7%の成長であった。マイナス成長を示したのは農業機械(-9.5%)、輸送機械(-9%)である。その他には、金属切削工作機械は約1.5%の成長、金属成形工作機械は約9.3%の成長であった。

 製紙印刷機械は97年11月末の選挙のため、設備が更新年限に達しているため明らかな成長をしており、97年の生産額は約103億台湾ドルに達し、初めて100億台湾ドルを突破した。化工機械は第6ナフサ分解工場による需要活発のため、好成績を納めた。工作機械は中国大陸市場による影響や、96年末の繰り上げ出荷のため、成長が高くない。電子業好況及びメーカーの積極的な技術レベルのアップに恵まれ、金属金型関連加工設備の見通しが良い。

 97年における機械産業の輸出は約2,723億台湾ドルで96年より2.3%減少した。主な原因は中国大陸市場の衰退、中国大陸の金融引き締め政策の継続、輸入関税及び増殖税が87%に達していることであり、中国大陸市場に対する輸出依存度の比較的高い機種、例えば工作機械、ゴム・プラスチック機械などの輸出に影響を与えている。輸入を見ると、3,300億台湾ドル増加、輸入成長が3.1%であった。主な原因は、電子業において高単価IC生産設備の輸入が減少せず、また、輸入機械設備の単価は台湾国産機種より2-4倍高い為である。97年における輸入成長で比較的大きい機種は靴製造皮革機械、ゴム・プラスチック機械、工作機械、流体機械などである。

 工業技術研究院機械所によると、1983年から1997年まで機械産業の輸入複合平均成長率は12.4%、輸出の複合成長率は7.9%で、輸入成長率は輸出成長率より大きい。輸出は中、低価格機種を主とする一方、輸入はほとんど高精度機械設備であり、この現象の短期間内での解決は難しい。輸入先を見ると、97年における台湾の主な機械設備の輸入先上位3位は日本(42.6%)、アメリカ(24.2%)及びドイツ(12.9%)であり、この3か国の合計は輸入機械総額の80%を占めている。その他、輸入先上位10位はイタリア、イギリス、スイス、フランス、中国大陸、韓国及びシンガポールである。

 輸出先について、97年における台湾からの機械設備輸出先は香港(中国大陸向けの間接輸出)がトップで24.6%を占め、アメリカは19.1%を占め次となり、日本は7%で第3位であり、上位3位の輸出市場は機械輸出総額の約50%を占めている。中国大陸市場は96年末に外資企業の輸入関税の免税取消による影響を受けて、業者は出荷時間を繰り上げたため、97年における中国大陸向けの機械設備は、96年の31%から24.6%にまで下落した。

 業界によると、98年における生産額の成長率が最も良い機種は金属切削工作機械、金属成形工作機械、事務機械及び金型である。工作機械、金具及び事務機械はそれぞれ10%以上の成長率で、また、ゴム・プラスチック機械の成長も見込まれている。全体的に言えば、98年における機械産業の成長率は約6%-8%の間であろう。

 

光電産業(概要)

 台湾光電産業は好成績を納めた。その生産額は1993年の530億台湾ドルから97年の1,636億台湾ドルにまで増加し、成長率は3.25倍になり、97年の成長率では41.49%に達した。光電産業は近年、台湾で高成長の産業となり、電子及び情報産業に続き発展潜在力を備えるハイテク産業である。98年における光電産業の総生産額の成長率は41.49%に達し、その中例えばLED,スキャナ、CD-ROMなどの製品の生産額は世界の上位3位に入っている。投資金額面では、97年における光電メーカーの主な投資金額は96年より2.36倍成長した。2000年には、台湾光電産業の規模は2,831億台湾ドルに達し、世界市場の約5.72%を占めると予測されている。97年における新竹科学園区の光電メーカーの売上成長率は75%に達し、科学園区で上位6大産業の中、成長率でトップを誇っている。

 PIDA(光電科技工業協進会)によると、光電産業の98年における光儲存類の成長率は26.85%、市場額は191億米ドルである。世界通信市場の需要はピークとなり、高品質、高容量、高速度が要求される中で、新規及び更新の通信ネットワーク及び設備はすべて光ファイバー通信を主としている。PIDAによると、光ファイバー通信類光電製品は相当高い成長率で21世紀に入り、その時の市場規模は362億台湾ドルに達し、市場での比重は第2位になると見られている。

 光電ディスプレイ類の市場比重は12.32%で、その中でLCDが引き続き主力で、その他各部品も安定成長を保持している。比較的注目されているのはPDPで、業界によると、輝度などの問題を突破した後、壁掛け式ディスプレイの形態で伝統CRTの市場空間を奪うことができる。世界全体光電ディスプレイ類市場は98年の154億米ドルから2000年の245億米ドルにまで成長する。光電半導体を主としている光電材料及び部品類市場は98年の76億米ドルから2000年の115億米ドルにまで成長すると予測されている。

 大部分の光電製品はすべて光学レンズをインターフェイスとして使う必要があるため、世界光学部品及び器材類市場を安定成長させる。98年の市場額は126億米ドルで、市場比重は10.03%に達し、年間成長率が17.52%である。2000年に171億米ドルの市場規模に達し、光電市場での9.71%を占めると予測されている。レーザ及びその他光電応用類の比重は大きくないが、レーザ加工機及び医療用レーザ市場徐々に拡大して、その市場額は98年の68億米ドルから2000年の92億米ドルにまで拡大する。1997年における世界光電市場の規模は約1253億米ドル、98年の成長率は16.15%で台湾の41.49%より低い。

 光電協会によると、1997年の台湾光電産業について、生産額、成長及び投資面ではすべて発展潜在力を備え、一部の光電製品市場競争が激烈であるため、価格は下落した。しかし、相対的に台湾光電メーカーの臨む挑戦及び研究開発実力の強さを明らかに示している。

 マルチメディアが発展しているこの社会の中で、98年を展望すると、台湾光電メーカーは依然として光情報製品が発展中心である。また、DVD CD-ROM及びデジタルなど製品の研究製造に全力を上げると同時に、光電に重要なキー部品のTFT-LCD,画像センサー及びレーザーダイオードなどは1998年における台湾光電工業発展の主流製品となると予測される。

 

ノート型コンピュータ

 IDCによると、96年前半における世界上位8社のノート型コンピュータメーカー(TOSHIBA, IBM, NEC, COMPAQ, TI, FUJITSU, APPLE, DELL)の世界での占有率が62.8%に達した。産業集中度が高く、世界大手メーカーの激烈な競争の中で、コストを低下させるため、相次ぎ海外に安価優良製品を調達する。台湾メーカーは優れる生産製造能力、納期が短く、製品品質優良及び低価格などの優勢により、世界有名大手メーカーの仕入先となり、台湾ノート型コンピュータの産業規模が世界のノート型コンピュータ市場の成長に伴い(93-95年の成長率は20-26%の間)増大し、大型化、集中化に向けて発展していく傾向になる。台湾ノート型コンピュータの生産量は、93年の129.1万台から95年の259.2万台に急上昇し、年間成長率は26%-60%の間で、世界での占有率は93年の22%から95年の27%に上がり、生産額も93年の16.7億米ドルから33.4億米ドルに上がり、年間成長率は22%-76%の間で、台湾情報産業の中で2大製品になり、モニターに次いでいる。

96年はノート型コンピュータの生産技術ネック(PENTIUM級コンピュータCPUの放熱問題、電池供給問題及び液晶ディスプレイのキー技術)は95年後半に突破することができ、値下げに加え、消費者の受け入れ度はアップすることによって世界ノート型コンピュータ市場の成長幅が32.9%に達した。台湾メーカーは相次ぎ生産能力拡大により需要に対応するため、台湾ノート型コンピュータの生産量は377.2万台に達し、95年より45.5%と大幅に成長して、世界での占有率は初めて30%を超え、世界1位のノート型コンピュータ生産国になった。さらにPENTIUM級コンピュータの生産量の急上昇及び大寸法TFT LCD搭載の生産量の増加のため、生産額は53.3億米ドルに達し、95年よりも59.7%と大幅に増加し、その成長率は生産量の成長率より高い。ただし、ノート型コンピュータの生産額の50%以上を占めるキー部品、例えばCPU,LCD,HDDなどは依然として輸入に頼っている。

 従来ノート型コンピュータの機能はデスクトップ機の機能に及ばないが、95年後半に生産技術の改善によりその機能がデスクトップ型に相当するようになった。MIC資料によると、PENTIUMクラスのノート型コンピュータの生産量は全ノート型の生産量中の比重がすでに95年の24.1%から96年の76.6%にまでアップし、486クラスのノート型コンピュータは95年の74.6%から96年の19.4%に大幅に低下し、デスクトップ型コンピュータの出荷製品構造との格差が小さくなってきた。

95年第3期に韓国メーカーのLCD生産といったキー技術面での重大な発展、TFT型LCD生産量の大幅な増加、価格低下のため、96年における台湾ノート型コンピュータのカラーTFT型LCD搭載の比率は95年の20%から56%にまで上昇し、市場の主流となった。カラーSTN型LCD搭載の比率は95年の58%から41%にまで低下した。95年にTFT型LCDの供給より需要が下回るため、LCDメーカーの投資が緩和したが、96年にノート型コンピュータの需要の急増、日本、韓国LCD供給メーカーの相次ぎ生産拡大により対応する。しかし、多くのメーカーの量産期間は96年後半及び97年前半に集中しているため、97年後半或いは98年にLCDの需給が均衡されることになる。TFT型LCDの品不足による圧力に対応するために、一部の日本メーカーはカラーSTN型LCD搭載のノート型コンピュータを入門機種とさせ、97年におけるSTN型LCDノート型コンピュータの生産量はまだ急落状況にならないと予測されている。

CD−ROM

 CD-ROM産業は最近急成長を呈しており、世界でのシェアは96年の15%から97年に20%にまで成長した。MICによると、97年第4期にCD-ROMの出荷量は史上最高を記録し、619万台に達した。

 MICによると、台湾情報製造メーカーのCD-ROM産業への参入は1994年から始まった。2年間の各種挑戦及び弱点を乗り越え、97年に上位5社のCD-ROMメーカーは着実に自立し、97年における台湾CD-ROMの出荷量は大幅に上昇し、台湾の主な情報製品の一つになった。MICによると、97年第1期から台湾CD-ROMの出荷量は96年同期と比べて大幅に上昇し、第1期の出荷量は368万台、第2期は325万台、第3期は456万台で、第4期は619万台に達し、過去最高を記録し、この好成績が98年も続くとされている。

 世界最大シェアを占めている日本製CD-ROMに挑戦するために、明碁、源興、建碁、英群、精英など上位5社台湾CD-ROMメーカーは最近さらに大量な人力、財力を投入し、32倍速に向けて前進している。業者によると、台湾製造メーカーの占有率が徐々に上昇しつつあり、世界CD-ROM産業にすでに大きな衝撃を与えている。

MICによると、台湾コンピュータ周辺機器の中、世界でのトップに立ち、マウス、キーボード、モニター、スイッチング電源などの生産量はすべて世界のトップである。しかし、CD-ROMでは、ヘッド、モータなどキー部品による制限で、自主技術による完全量産できなく、日本メーカー或いはオランダフィリップスから輸入するか、或いは技術提携を行うため、世界でのシェアは15%前後にとどまっている。

 1996年を例にすれば、CD-ROMの生産額は528万米ドルで95年同期より73%成長した。生産量は6600万台で、95年同期より76%成長した。成長率は大きいが、日本製CD-ROMは依然として世界の70%を占め、PANASONIC,NEC,RICOHなどのブランドが世界の主な市場を占めている。しかし、この産業分業形態は将来は大幅に変化する。台湾国内CD-ROM業界の上位5社の大量な投資で、CD-ROM産業が21世紀に入ってから台湾の情報産業にもう一つの世界一の座を加える。

 

電話番号改正のお知らせ

台湾・台北地域の電話番号が1998年1月より改正されました。
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